「暗号資産って、そんなに荒いんですか???」
当時は、投資初心者が先生に質問しているだけの、ごく普通のLINE会話だと思っていました。
ところが被害から時間が経ち、当時のLINEを遡って確認していると、その質問をしていた「藤田卓也」という名前が、別の場面では取引所のカスタマーマネージャーを名乗っていたことに気づきました。
そこから私は、他の参加者の発言も一つずつ読み直しました。
300万円の入金報告。「孫は銀行員」という参加者。先生を繰り返し持ち上げる福山和也さん。そして「去年、先生のご指導で」という発言。
一つだけなら気のせいで終わっていたかもしれません。
しかし、小さな違和感を時系列で並べると、当時とはまったく違う景色が見えてきました。
「暗号資産ってそんなに荒いんですか?」から始まった違和感
この記事では、私が実際に参加していたLINE投資グループの記録をもとに、後から気づいた「サクラ演出ではないかと疑ったポイント」を検証します。

初心者のように質問していた「藤田卓也」さん
米国雇用統計について先生役が説明している途中、「藤田卓也」という名前のアカウントがこう質問しています。
「暗号資産ってそんなに荒いんですか???😯」
この発言だけを見れば、何も不自然ではありません。
暗号資産やFXに詳しくない参加者が、先生に素朴な質問をした。
先生がそれに詳しく答え、ほかの参加者も一緒に勉強する。
当時の私は、そのように受け取っていました。

ところが同じ名前が「取引所のカスタマーマネージャー」として登場した
別のLINEを確認していて、私は手が止まりました。
そこには同じ「藤田卓也」という名前で、次のような自己紹介が投稿されていました。
「皆さん、こんにちは。
INVDOM PTY LTD取引所のカスタマーマネージャー、藤田です。」
さらに、取引所の安全性について説明し、口座開設やプラットフォームの操作について質問があれば自分に連絡するよう案内していました。

ここで、最初の会話が急に違って見えました。
暗号資産について詳しくないように質問していた人物が、実は取引所側の担当者を名乗っていた。
もし、この二つのアカウントが同じ人物・同じ運営側によって操作されていたのであれば、質問そのものが、先生役に説明させるための演出だった可能性も考えられます。
「質問する人」が先生の信頼を作っていたのではないか
LINE投資グループでは、先生役が一方的に自分の知識を語るよりも、参加者が質問し、それに先生が答える方が自然に見えます。
「暗号資産はどうして動くのですか?」
「雇用統計はなぜ重要なのですか?」
「FXや株にも影響するのですか?」
そんな質問に対して先生役が詳しく答えれば、質問者本人だけではなく、LINEグループ全体がその説明を読むことになります。
結果として、先生役には「詳しい人」「頼れる人」「自分たちより投資を知っている人」という印象が積み重なっていきます。

300万円の「入金報告」は私を安心させる材料になった
LINEグループには、投資や暗号資産の説明だけではなく、高額な入金報告も投稿されていました。
「300万円を送金しました。
今夜もよろしくお願いいたします🙏」
しかも文章だけではありません。
銀行の振込受付書らしきものを手に持った写真まで添付されていました。

これには大きな心理的効果がありました。
「私だけじゃない」
「ほかの人は300万円も入れている」
「これだけの金額を入れる人がいるなら、安全なのではないか」
そう感じてしまうからです。
しかし今なら分かります。
写真が存在することと、その写真によって説明されている内容が事実であることは別です。
この写真だけでは、誰のお金なのか、本当にこの投稿者本人が振り込んだのか、最終的にどこへ送金されたのかまでは確認できません。
「孫は銀行員」「主人も元銀行員」という会話
もう一つ、当時から少し違和感を感じていた投稿があります。
ある参加者が、米国雇用統計について質問する前にこう書いていました。
「私の孫は銀行に勤めてます
主人も元銀行員です」
さらに、孫と主人がアメリカ雇用統計の話題で盛り上がっていたので、その理由を先生に教えてほしいと続きます。

「雇用統計とは何ですか?」だけでも質問は成立します。
それなのに、わざわざ「孫は銀行員」「主人は元銀行員」という背景が付け加えられていました。
この会話を読んでいる側には、「銀行員まで注目している重要な情報なのだ」という印象が加わります。
そして、その質問に先生役が詳しく答える。
結果として、先生の専門性をさらに強く感じさせる構造になっていました。
福山和也さんは繰り返しグループを盛り上げていた
藤田卓也さんの違和感から過去のLINEを読み返すようになり、特に気になったのが「福山和也」という名前のアカウントでした。
福山さんは一度だけ先生を褒めたわけではありません。
私が保存していた過去ログを確認すると、先生を持ち上げたり、利益が増えることを喜んだり、投資への期待を高める方向の発言が何度も登場していました。

気になった「去年、先生のご指導で」という一言
その中でも特に重要だと感じたのが、次の発言です。
「去年、先生のご指導で取引をやるとき、毎回この時期になると戦々恐々としてました💦」
このLINEは2024年のものです。
「去年」をそのまま受け取れば、2023年にも同じ先生から指導を受けて取引していたという意味に読めます。
当時の私がこれを読めば、
「この先生は今年突然現れた人物ではない」
「去年から指導を受けている人がいる」
「過去にも実績がある先生なんだ」
そう受け取ったと思います。
「孫は銀行員」と福山さんに共通していた「💦」
過去LINEを読み直す中で、さらに小さなことが気になりました。
「孫は銀行員」と話していたアカウントは、文章の最後に、
「すみません💦💦💦」
と書いています。
福山さんも、
「戦々恐々としてました💦」
と同じ「💦」を使っていました。
もちろん、「💦」が同じだから同一人物だとは言えません。
この絵文字は誰でも使います。
偶然一致した可能性も十分あります。
しかし先生に都合のいい質問をする。
先生の専門性を引き立てる。
過去から先生を知っているような話をする。
利益が増えたことを喜ぶ。
グループの空気を盛り上げる。
そうした「会話の中で果たしている役割」を見直している途中で、文章表現や絵文字にも似た部分があることに気づいたのです。
先生の解説に「分かりやすい」「助かります」と続く会話
LINEグループでは、先生役による米国雇用統計の長い解説が続きます。
非農業部門雇用者数、失業率、FRB、インフレ、株、為替、暗号資産への影響。
その説明を読んだ参加者からは、
「なるほど、わかりやすいご説明ありがとうございます」
といった反応も投稿されていました。




そして提示された「ASIC」の資料
取引所側を名乗る藤田卓也さんは、INVDOM PTY LTDについて、オーストラリアのASICに関係する資料を提示していました。
当時の私は、英語で書かれ、公的機関のロゴまで付いた資料を見て、強い安心感を持ちました。
しかし、今になって資料を拡大して確認すると、重要な日付が記載されていました。

「Commenced:25/03/2024」は何を意味するのか
ここは誤解しないよう、慎重に書きます。
資料に記載されているのは、
INVDOM PTY LTD
AFS Representative Number:001308576
Status:Current
Commenced:25/03/2024
です。
この「Commenced」は、この資料上でINVDOM PTY LTDがAFS authorised representativeとして開始した日付が2024年3月25日であることを示すものとして読み取れます。
これは「INVDOMという会社やサービスそのものが2024年3月25日に初めて誕生した」という意味と同一ではありません。
ここを混同すると、逆に検証記事の信頼性を失ってしまいます。
「去年から先生の指導」と2024年3月25日という日付
ここで私は、福山さんの発言を思い出しました。
「去年、先生のご指導で取引をやるとき……」
2024年のLINEで語られる「去年」は、通常なら2023年を指します。
一方、LINEグループで安全性の材料として提示されたINVDOM PTY LTDの資料には、AFS authorised representativeとしての開始日として2024年3月25日と記載されていました。
私はここに違和感を覚え、私は確認せずにはいられませんでした。

取引所や金融業者は「送られてきた資料」ではなく自分で調べる
投資グループからライセンス証明書や登録証のようなものを送られてきても、その画像だけで判断しないことが重要です。
今回のようにASICの登録を主張している場合は、ASIC公式サイトのProfessional Registers Searchから、会社名・ライセンス番号・登録番号などを使って検索できます。
ASIC公式:
ASIC Professional Registers Search
確認するときは、会社名が出てくるかだけで終わらせません。
会社名、登録番号、Status、Commenced、誰の代表者なのか、どの金融サービスについて権限があるのかまで確認します。
また、LINEやSNS投資グループから送られてきたリンクをそのまま開くのではなく、検索エンジンなどから監督機関の公式サイトへ自分でアクセスすることも大切です。
【資料の読み方について】
ASICは、AFS authorised representativeについて、AFS licenseeから特定の金融サービスを提供する権限を与えられた者・組織として登録情報を公開しています。
したがって、「AFS Representativeとして登録されていること」と、「LINEで勧誘している人物・ウェブサイト・投資サービスそのものが安全であること」は分けて確認する必要があります。
私が後から見つけた「信用を作る役割」
当時のLINEを一つずつ見ていると、私はそれぞれ別の参加者が普通に会話しているように感じていました。
しかし、今になって役割という視点で見直すと、別の構造が見えてきます。
先生役:専門知識を説明し、投資判断の中心になる。
質問役:先生に答えさせ、先生の専門性を見せる。
古参・盛り上げ役:「去年から先生を知っている」「利益が増えた」と語り、過去の実績や期待感を補強する。
権威付け役:「孫は銀行員」「主人は元銀行員」など、金融関係者を会話に登場させる。
入金報告役:高額送金の文章や振込票らしき写真を投稿し、「ほかの人も入れている」という安心感を作る。
取引所側:ライセンスや公的機関の資料を見せ、資金の安全性を強調する。
私は、こうした発言が偶然だったのか、意図的なサクラ演出だったのかを証明する手段を持っていません。
しかし少なくとも、それぞれの発言が私の警戒心を下げ、LINEグループや投資への信用を強める方向に働いていたことは、自分自身の体験としてはっきり覚えています。
LINE投資グループ「サクラ演出」チェックリスト
今、LINE・SNS・Instagramなどから投資グループへ誘われている方は、入金する前に一度確認してみてください。
このチェックリストは「○個当てはまったら詐欺」と判定するものではありません。
大切なのは、違和感を一つずつ保存し、別の日の会話や公的な登録情報と照合することです。
もし今、入金する直前なら
この記事を読んでいる方の中には、今まさにLINEやSNS投資グループから送金を求められている方がいるかもしれません。
「今日がチャンス」
「先生の指示通りなら大丈夫」
「ほかの参加者も利益が出ている」
「みんな数百万円を入れている」
そんな言葉を見て、焦っているかもしれません。
でも、今日入金しなければならない理由が本当にあるのか、一度確認してください。
相手から送られてきた資料ではなく、自分で会社を検索してください。
LINEグループの外に出て調べてください。
家族や第三者に見せてください。
そして、少しでも「何か変だ」と思った自分の感覚を、無視しないでください。
投資のチャンスを一度逃すことと、生活を支えるお金を失うことは同じではありません。
私は止まれませんでした。だから、あなたには止まってほしい。
今まさに投資詐欺かもしれないと感じている方へ
この記事について
この記事は、私自身が被害当時に保存していたLINE記録と資料を、被害後に改めて確認して作成しています。
LINE上の表示名と実際の操作者が同一人物であることや、複数アカウントを一人が操作していたことを確認した記事ではありません。
また、資料にある「Commenced:25/03/2024」についても、INVDOM PTY LTDのAFS authorised representativeとしての開始日として扱っており、会社そのものの設立日や、すべてのサービスの開始日を意味すると断定していません。
推測と確認できた事実を分けながら、同じようなSNS投資詐欺・LINE投資詐欺の被害を防ぐための資料として公開します。
少しでも違和感を感じたら
まだ振り込んでいないなら、振り込まないでください。
すでに振り込んでしまった場合は、できるだけ早く銀行、警察、消費生活センターなどに相談してください。
恥ずかしいと思う必要はありません。
悪いのは、あなたを信じさせ、お金を奪おうとした相手です。
あなたの大切なお金と未来を守れるのは、最後はあなた自身です。
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English Summary
This article examines real LINE investment-group records and the warning signs I noticed only after becoming a victim. Small inconsistencies in roles, deposit claims, wording and registration dates can be a reason to stop and verify before sending money.
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この記事は、私自身の実際の詐欺被害体験に基づく記録です。これ以上被害者を増やしたくないという思いから、個人で発信しています。
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この記事を最後まで読んでくださったあなたへ。
今、言葉にできないほど苦しい気持ちを抱えているかもしれません。
張り詰めた心を少しだけ緩めるために、
「心を整える場所」
を作りました。
誰にも言えない胸の内を抱えたままでも大丈夫です。
ここで、ほんの少しだけ心を休めていってください。





































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