仕事が終わると、私は取引時間に間に合うよう急いで帰宅していました
仕事を終えた私は、暗号資産の取引時間に間に合うよう、急いで車を走らせていました。
家に着くと、そのまま取引のために使っていた部屋へ入り、スマートフォンを準備。
先生から届くLINEの取引指示を待つ時間は、緊張しながらも楽しみな時間でした。
操作に慣れていなかった私は、指が震えて違う場所を押してしまったこともあります。
それでも、画面には利益が表示されました。
「このまま少しずつ利益が増えれば、家族を幸せにできる。みんなで旅行にも行ける」
私は本気で、そう思っていました。
しかし今振り返ると、その喜びの裏側では、私をさらに信じ込ませる仕組みが動いていました。

この記事で分かること
この記事では、私がLINE投資グループで実際に経験した、ある日のADAUSD取引を時系列で紹介します。
取引開始前の待機、一斉エントリー、利益確定、参加者による利益報告、先生からの追加資金に関する説明まで、当時のLINE記録をもとに振り返ります。
現在、同じような投資グループに参加している方へ
利益が画面に表示されていても、その数字を実際に出金できるとは限りません。
追加送金を求められている場合は、いったん取引を止め、家族や公的な相談窓口へ確認してください。
30秒で分かる「ある日のLINE投資取引」
この日の取引は、先生の通貨ペア発表から始まり、参加者全員がほぼ同じタイミングで売買し、最後には多数の利益報告が投稿される流れでした。
漫画では、当時私が見ていた取引グループの雰囲気を、人物の反応に置き換えて再現しています。

ある日の取引は「ADAUSDを準備してください」から始まりました
この日の夜、LINEグループに「本日の通貨ペアはADAUSDです」というメッセージが投稿されました。
すぐに取引を始めるのではなく、最初に参加者を待機させます。
先生からは、準備ができたら声をかけ、取引指示を受け取るよう案内されていました。

グループ内では、複数の参加者が次々に反応していました。
「了解です」
「設定は完了しています」
「取引指示をお待ちしています」
こうした返信が並ぶことで、私は「ほかの人も同じ取引に参加している」と感じていました。

先生から届いた指示は「ADAUSD・成行売り」でした
準備が整うと、取引内容がLINEへ投稿されました。
この日の指示は、次のような内容でした。
取引通貨ペア:ADAUSD
取引方向:成行売り・SELL
取引開始後、画面の記録を送る
参加者には、取引が成功したことを確認するためとして、取引画面を送信するよう求められていました。

私は先生の指示に従い、ADAUSDの売り注文を入れました。
しかし、当時の私は取引画面の操作に慣れていませんでした。
緊張で指が震え、別の場所を押してしまいました。

専門用語とチャートが「本物らしさ」を感じさせました
取引開始後、先生役の人物から相場分析が送られてきました。
そこには、15分足、レジスタンス、下落トレンド、PMIといった言葉が並んでいました。
さらに、線が引かれたチャートも添付されていました。
当時の私は、内容を十分に理解できていたわけではありません。
それでも、専門用語やチャートを見ることで、「きちんと市場を分析したうえで指示しているのだろう」と受け止めていました。
突然「取引を終了してください」と連続で指示されました
しばらくすると、LINEグループに大きな赤い感嘆符とともに、決済指示が届きました。
「取引を終了してください」
同じ文章が繰り返され、参加者は一斉に決済操作へ移ります。

私は決済時にも操作を間違えました。
一度は損失が出る取引をしてしまいましたが、すぐに押し直しました。
最終的には、利益と損失を差し引いて1,342ドルのプラスと表示されました。

私はLINEで、次のように報告しました。
ヒリヒリする緊張感で指が震えて、違うところを触ってしまいましたが、1,342ドルの利益です。
このときの私は、失敗した怖さよりも、利益が表示された喜びの方を強く感じていました。
グループには高額な利益報告が次々と投稿されました
決済後、ほかの参加者からも利益報告が続きました。
投稿されていた金額には、大きな差がありました。
1,079.85ドル
1,863ドル
1,934.50ドル
5,180.40ドル
6,570ドル
利益額とともに、先生への感謝や称賛も投稿されていました。
「先生ありがとうございます」
「今日も無事に勝てました」
「先生の判断はすごい」
「明日もよろしくお願いします」





利益報告の直後に「資金を増やす話」が始まりました
取引が終わると、先生役の人物から長いメッセージが届きました。
その文章では、今回の取引を褒めながら、資金を増やすことの利点が繰り返し説明されていました。
主な内容は次のようなものでした。
資金が増えると利益も増える。
資金が多いほどリスクをコントロールしやすくなる。
ほかの参加者との差が大きくなる。
家族とのより良い未来をつくることができる。
取引で利益が表示され、私が喜んでいるタイミングで、この説明が届きました。
私は、資金を追加するよう直接命令されたとは感じませんでした。
しかし、「もう少し資金があれば、もっと利益を増やせるのかもしれない」と考えるようになっていました。

私は先生に、次のように返しています。
差し引きでも1,342ドルは大きいです。
ヒリヒリする緊張感に慣れないといけないですね。
今振り返ると、この時点で私は取引そのものだけではなく、先生に認めてもらうことにも価値を感じ始めていたのかもしれません。
当時の私には見えなかった、取引グループの裏側
グループ内の参加者が本当の投資家だったのか、詐欺グループ側の人物だったのかは確認できません。
すべての参加者が詐欺に関与していたと断定することもできません。
ただし、利益報告、先生への称賛、追加資金の説明が毎日のように組み合わされることで、参加者に次のような心理が生まれます。
みんなも利益を得ているという安心感
自分だけ遅れたくないという焦り
先生の指示に従えば勝てるという期待
資金を増やせば人生を変えられるという希望
次の漫画は、現在分かっている事実をそのまま再現したものではなく、私が体験した心理誘導の構造を、詐欺グループ側の視点から表現したものです。

正規の投資アドバイザーなら、何が違うのでしょうか
正規の金融事業者や投資助言業者であっても、投資に損失が生じる可能性はあります。
また、LINEを連絡手段として使うことだけで、直ちに詐欺だと判断することはできません。
重要なのは、LINEを使っているかどうかではなく、誰が、どのような契約と責任のもとで助言しているかです。
正規の助言で重視されること
正規の助言では、利益だけでなく損失の可能性、手数料、取引条件、資金管理について説明されます。
顧客の資産状況やリスク許容度を確認し、無理な資金追加を勧めないことも重要です。
また、ほかの顧客の利益額を見せて競争心を刺激したり、参加者全員へ同じ取引を急いで実行させたりすることが、通常の投資助言で必須になるわけではありません。

確認してほしいこと
投資助言を行う業者については、会社名、所在地、代表者、契約書、金融商品取引業者としての登録情報を確認してください。
登録番号を提示されても、その番号が別会社のものではないか、金融庁の公表情報と照合することが大切です。
LINE投資グループの危険度チェックリスト
次の項目は、ひとつだけで詐欺と断定するためのものではありません。
複数当てはまる場合は、追加の送金や個人情報の提供を止め、第三者へ確認してください。

0~2個
取引先の登録情報、契約内容、出金条件を改めて確認してください。
3~5個
追加送金を急がず、家族や第三者、公的な相談窓口へ相談してください。
6個以上
詐欺の可能性を考え、追加送金と個人情報の提供をいったん止めてください。
利益が表示されていたからこそ、私は疑えませんでした
最初から損失ばかりだったなら、私はもっと早く疑えたかもしれません。
しかし、私の取引画面には利益が表示されていました。
先生は質問に答え、操作を間違えた私を責めませんでした。
グループ内では、ほかの参加者も毎日のように利益を報告していました。
私は、それらを「本物である証拠」だと思ってしまいました。
しかし、画面上の残高や利益は、実際に自由に引き出せて初めて、自分のお金だと確認できます。
数字がどれほど増えていても、出金できないのであれば、その表示をそのまま信用してはいけません。
現在、出金のために税金・保証金・違約金・信用回復費用などを請求されている方へ
新たなお金を払えば出金できると言われても、追加送金は一度止めてください。
相手へ送る前に、振込先の金融機関、警察相談専用電話、消費者ホットラインなどへ相談してください。
同じ状況にいる人へ伝えたいこと
詐欺に遭っている最中は、第三者から見ると不自然なことでも、本人には不自然に見えない場合があります。
利益が表示され、先生が優しく、周囲の参加者も喜んでいると、疑う理由が消えていくからです。
少しでも違和感があるなら、相手に知られない場所で確認してください。
グループ内の「先生」や「サポート担当」ではなく、その取引に関係していない家族や友人、公的機関へ相談してください。
相談したからといって、すぐに詐欺と決めつけられるわけではありません。
お金を送る前に確認することは、自分と家族を守るための行動です。
この記事は、筆者が実際に経験したLINEを利用したSNS投資詐欺の記録をもとに作成しています。
掲載したアカウントの役割や関係者全員の身元を確認できたわけではなく、個々の人物が詐欺に関与していたと断定するものではありません。
投資や法律に関する個別判断が必要な場合は、登録された金融事業者、弁護士、警察などの専門機関へご相談ください。
少しでも違和感を感じたら
まだ振り込んでいないなら、振り込まないでください。 すでに振り込んでしまった場合は、できるだけ早く銀行、警察、消費生活センターなどに相談してください。 恥ずかしいと思う必要はありません。 悪いのは、あなたを信じさせ、お金を奪おうとした相手です。 あなたの大切なお金と未来を守れるのは、最後はあなた自身です。 「相談窓口の入口⬇」 
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