もし今、似た投資グループの中にいるなら
この記事は、私がSNSをきっかけに参加した投資グループで、暗号資産の取引を教えられ、少しずつ入金額を増やしていった当時のLINE記録をもとにしています。今回は、「なぜ私は1000万円近い資金を準備しようとしたのか」を、現在の視点から振り返ります。
今まさに追加送金を求められている方へ。「今日中」「今だけ」「他の人はもう利益を出している」と急かされているなら、まず追加送金を止めてください。すでに銀行振込をしていて詐欺の可能性を感じた場合は、証拠整理より先に振込先の金融機関と警察へ連絡することが重要です。
金融庁は、振込を利用したSNS型投資詐欺も振り込め詐欺救済法の対象になり得ると案内し、被害に気づいた場合は警察と振込先の金融機関へ連絡するよう呼びかけています。
警察相談専用電話は#9110です。金融庁の案内では、標準的な受付時間は平日8時30分~17時15分ですが、都道府県警察によって異なります。緊急の危険がある場合は110番を利用してください。
消費者ホットライン188は、地域の消費生活相談窓口につながる全国共通番号です。消費者庁によると、土日祝日も地域窓口が休みの場合は国民生活センターが補完し、施設点検日や年末年始などを除いて原則毎日利用できます。
「成行き売りって、何を売るの?」から始まった
当時の私は、投資の基本用語も十分に理解していませんでした。成行き買いは何となく分かっても、「何も持っていないのに、なぜ売りから始められるのだろう」と不思議に思い、担当者へ質問しています。

説明そのものには、実際の投資で使われる用語も含まれていました。だから私は「この人は投資を知っている」「分からないことを教えてくれる」と感じ、少しずつ信用していったのだと思います。

「他の初心者は1000万円以上」―比較されるうちに焦りが生まれた
先生(詐欺師)は、グループの多くの初心者が資金を1000万円以上に増やし、利益が以前の仕事の収入を上回ったと説明しました。一方で私には、取引回数も資金も他の初心者より少なく、差が広がっていると伝えてきました。
今なら、他人の入金額と自分が負えるリスクはまったく別だと分かります。でも当時は、「私だけ遅れている」「せっかくの機会を逃したくない」という気持ちが強くなっていました。

100万円、さらに100万円。入金額が大きくなっていった
私は最初から数百万円、1000万円を送ろうとしていたわけではありません。100万円を入金し、さらに100万円を追加し、画面上の残高が増えるたびに「もっと資金があれば、もっと利益が増えるかもしれない」と考えるようになっていきました。


私に見えていたのは「安定した生活」という新しい希望だった
この時の私にとって、投資は単にお金を増やすという事ではありませんでした。安定した生活を手に入れたい。時間に少し余裕を持ちたい。好きなこともできる生活に変えたい。そんな新しい希望でした。

売買の時刻、銘柄、ロット数まで相手の指示どおりだった
この頃の私は、自分でチャートを分析して売買していたわけではありません。指定された時刻に待機し、指定された通貨ペア、ロット数、BUY・SELLの方向を入力し、操作画面を送って確認してもらっていました。


途中ではマイナス。それでも最後には大きな利益が表示された
取引中、画面には一時的に大きな含み損が表示されました。しかし、その後の決済ではADAUSDの利益が大きく表示され、口座残高も増えました。


私は本当にうれしかったのです。「やっぱりやってよかった」「私にもできる」と感じました。
ここで大切なのは、画面上で利益が表示されたことと、そのお金を自分の銀行口座へ自由に出金できることは同じではないという点です。
金融庁は現在、SNS上の投資詐欺について、アプリ上で入金額や利益が増えているように装い、最初は出金できても、まとまった出金を申し出ると理由をつけて断られる事例を注意喚起しています。
金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」
「投資に絶対はない」と言った直後に、「5000万円の利益は確実」
この取引の後、相手は「投資にはリスクがある」と説明しました。ところが、その文章の中には、指示を守れば5000万円の利益目標を達成することは確実という趣旨の言葉もありました。

今の私なら、この矛盾に立ち止まります。投資にリスクがあると言いながら、将来の利益を「確実」と言い切るのはなぜなのか。どんな根拠があるのか。誰がその損失を補償するのか。
FBIも暗号資産投資詐欺の注意喚起で、保証された利益をうたう投資話を警戒するよう呼びかけています。また、偽の投資プラットフォーム上で非常に大きな利益を表示し、さらに多くの資金を入れさせる手口を説明しています。
FBI「Cryptocurrency Investment Fraud」
追加700万円を準備。そして私は「1か月後に100万円出金してもいいですか?」と聞いた
私はさらに700万円を準備しました。ただ、その日の銀行手配には間に合いませんでした。そして、これだけの資金を全部入れるのは少し苦しいと感じ、1か月後くらいに100万円を出金してもよいか確認しています。

相手は「入出金は自由」と答えました。その一方で、近い将来の利益計画のためにはできるだけ資金を増やすことを勧め、「非常に珍しい機会」「このような機会はなかなか訪れない」と続けています。


実は一度、銀行の振込上限が私を止めていた
今回、当時の記録を整理していて、もう一つ残しておきたいことがあります。私は高額な資金を振り込もうとした際、銀行に設定されていた振込金額の上限に引っかかり、一度は送金できませんでした。
これは、銀行が私の取引を「投資詐欺」と判断して止めたという意味ではありません。振込限度額は銀行や利用方法によって異なります。ただ、結果としてその時の私には、一度立ち止まれる瞬間が生まれていました。
それでも当時の私は、「こんな大きなお金を送って大丈夫だろうか」よりも、「どうすれば振り込めるのだろう」と考えてしまいました。
高額なお金を動かす方法まで、この時に初めて知った
それまで私は、普段使っているATMでは一度に扱える金額に限度がある、という程度しか知りませんでした。ところが大きな投資資金を動かそうとしたことで、私が利用した銀行では、店内でより高額な資金を扱うための別の方法があることも、この時初めて知りました。
投資を始めたつもりだったのに、気づけば「大金をどう動かすか」を覚えていった。今振り返ると、ここも私の行動が日常から離れていったサインだったと思います。

現在、金融庁は金融機関に対し、インターネットバンキング対策の強化、不正のおそれを検知した取引での顧客確認、出金停止や凍結などの迅速化を求めています。銀行から高額送金について確認されたり、限度額により一度止まったりした時は、「邪魔された」と考えるのではなく、送金先と投資話を第三者に確認する機会にしてほしいと思います。
金融庁「金融機関が行う預貯金口座の不正利用等防止の取組に係る広報について」
今、似た状況にいる人のためのチェックリスト
ひとつでも当てはまったら、「詐欺だ」と即断するためではなく、追加送金の前に一度外部へ相談するサインとして使ってください。特に、すでに高額送金を求められている場合は、最初の3項目を優先してください。
最優先:いま止めるための確認
勧誘の言葉を確認
自分の心理状態を確認
一つでも「今の自分に近い」と感じたら、その日の送金は保留にしてください。投資グループの外にいる家族・友人・銀行・警察・消費生活センターなど、利害関係のない相手へ相談してください。
金融庁の注意喚起と、私のLINE記録が重なるところ
金融庁は、SNSやマッチングアプリなどを通じて知り合った相手から暗号資産やFXなどの投資勧誘を受け、返金されない、出金できないといった相談が多く寄せられていると注意喚起しています。現在は、金融庁の「金融事業者一括検索機能」で、勧誘している業者が登録を受けているか確認することもできます。
私の記録にも、SNS・LINEでの勧誘、暗号資産、レバレッジ100倍、具体的な売買指示、画面上の大きな利益、追加入金、希少な投資機会という説明、そして「出金は自由」という言葉が残っています。
金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」
当時の自分を責めるためではなく、「止まれる場所」を残すために
私は「成行き売りって何を売るの?」と聞くほどの初心者でした。分からないことを教えてもらい、取引で利益が出たように見え、褒められ、他の人も儲かっていると聞き、未来への希望を持ちました。
そして、100万円、さらに100万円、次は500万円から600万円、そして700万円。気づけば1000万円近い資金を準備するところまで進んでいました。
最初から大金を失うつもりだった人はいません。私もそうでした。
銀行の振込限度額に引っかかった瞬間も、本当なら立ち止まる機会でした。でも、当時の私はその壁を「危険のサイン」ではなく、「投資を続けるために越える壁」だと見てしまいました。
だから、この記録を残します。
私は止まれませんでした。だから、あなたには止まってほしい
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English Summary
This article documents my real experience with an SNS investment scam: repeated deposits, apparent crypto profits, pressure to increase funds, and a bank transfer limit that briefly stopped one payment. If you are being urged to send more money, stop and verify the investment independently before transferring anything.
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今、言葉にできないほど苦しい気持ちを抱えているかもしれません。
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誰にも言えない胸の内を抱えたままでも大丈夫です。
ここで、ほんの少しだけ心を休めていってください。
































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