詐欺の手口

SNS投資詐欺の心理誘導|「利益35%」へ導かれたLINEグループの実録

「利益35%」を、私は疑えませんでした

私が参加していたLINE投資グループでは、突然「35%儲かります」と言われたわけではありませんでした。

最初にあったのは、「昨夜は高い利益が出た」「初心者でも簡単だった」という会話でした。

その後、日本株の下落、ビットコインへの期待、ADP雇用統計、過去の成功例へと話が進み、最後に「利益は取引資金の35%」という数字と、暗号資産取引所のキャンペーンが登場します。

当時の私は、一つひとつのLINEを別々の会話として読んでいました。

被害後の今、時系列につなげて読み返すと、私は少しずつ暗号資産取引へ近づいていったことが分かります。

【現在、送金を求められている方へ】

この記事を最後まで読んでから判断する必要はありません。
まだ送金していないなら、いったん止めてください。

すでに銀行振込をしている場合は、相手への追加送金より先に金融機関へ連絡してください。
警察への相談は「#9110」、消費生活相談は「188」があります。

「税金」「保証金」「認証料」「解除料」「出金手数料」などを払えば出金できると言われても、追加で支払う前に、LINEグループとは関係のない第三者へ相談してください。

最初に確認|あなたのLINEにも似た流れはありませんか?

一つ当てはまっただけで詐欺と断定するものではありません。
ただし、複数が重なっている場合は、送金する前にグループの外で確認してください。

☑ あなたのLINEにも似た特徴はありませんか?

当てはまる項目をタップしてチェックしてください。
ひとつだけで詐欺と断定するものではありませんが、
複数重なる場合は送金する前に、LINEグループの外で確認してください。

🔴 複数チェックが付いたら、いったん送金を止めてください。
グループ内の人ではなく、金融機関・警察「#9110」・消費者ホットライン「188」など、
利害関係のない第三者へ確認してください。

実録LINE|「昨夜は高い利益」から始まった朝

ここからは、私が実際に参加していたLINEグループの記録を、できるだけ当時の順番のまま掲載します。

まず見てほしいのは、一つひとつの発言よりも「何が、どの順番で出てきたのか」です。

LINE投資グループで昨夜は非常に高い収益だったと投稿され、初心者が初めての暗号資産取引は簡単だったと報告した後、日経平均の下落が話題になっている実際の会話
高い利益の話と初心者の成功体験の直後に、日本株の下落が話題になりました。

米国株下落の影響や日本株の調整について先生役が解説し、株式市場の弱さやセクター別の下落を説明しているLINE投資グループの実録
個別銘柄の下落や日経平均の下落トレンドを説明し、弱気株を早めに売ってポジションを減らすよう話しているLINE投資グループの会話
日本株に対する不安を強める話が、しばらく続きました。

当時の私は、こうした投稿を「投資の勉強」として読んでいました。

実際の株価や米国市場の話も含まれているため、会話そのものに強い違和感はありませんでした。

しかし、このあと話題の方向が変わります。

「株は危ない」から「暗号資産にはチャンスがある」へ

日本株への不安が続いた後、LINEではビットコインや暗号資産の話が目立つようになりました。

株式市場の先行きが不透明だという会話から、ビットコインは強気で半減期も近く良いチャンスが多いという話へ移り、先生を信頼して暗号資産へ重点投資すべきだという投稿が続くLINE
株への不安のあと、「ビットコインにはチャンスがある」「先生を信頼する」という会話が続きました。

今振り返ると、私の中では次のような変化が起きていました。

株は下がっている。

株は危険かもしれない。

でも暗号資産にはチャンスがある。

先生の判断を信じればいい。

この心理の変化を漫画にすると、当時は見えなかった流れが分かりやすくなりました。

株が下がっている、株は危険かもしれない、暗号資産にはチャンスがある、先生の判断を信じればいいという4段階で投資先への心理誘導を描いた注意喚起漫画
不安を感じた後に別の投資先へ希望を向けられると、その選択肢が魅力的に見えることがあります。

本物の経済指標「ADP雇用統計」が登場した

次にLINEで詳しく説明されたのが、米国のADP雇用統計でした。

ADP雇用統計そのものは実在する経済指標です。

発表時刻や雇用者数、米ドルとの関係など、投資の勉強として読んでも不自然ではない説明が続きました。

今夜21時15分のADP雇用統計が良い取引チャンスだとして、ADPの意味や米国雇用統計との関係を詳しく説明しているLINE投資グループ

当時の私は、専門的な説明が増えるほど、

「本当に投資に詳しい人たちなんだ」

「きちんと経済を分析して取引しているんだ」

と思うようになっていました。

しかし、今なら切り分けて考えます。

経済指標の説明が正しいことと、紹介される投資先が安全であることは別です。

本物のニュース、本物の経済指標、本物の相場データが使われていても、その後に紹介される暗号資産取引所まで本物だとは限りません。

「前回なら1478ドル」から「今夜もチャンス」へ

その後、前月のADP雇用統計発表時のBTCUSDの値動きが紹介されました。

前回のADP雇用統計発表後にBTCUSDが65820から67298まで1478ドル上昇し、その時に取引していれば利益を得られたと説明しているLINE投資グループ
過去の値動きを使って「取引していれば1478ドルの利益」という説明がされました。

過去のチャートなら、「ここで買えばこれだけ取れた」という説明はできます。

しかし、それは次の経済指標でも同じ方向へ動くことを意味しません。

それでも、具体的な成功数字を見せられた後に「今夜も大きく動く」と言われると、私は次の機会を逃したくない気持ちになっていきました。

そして出てきた「利益は取引資金の35%」

この日のLINEの中で、今の私なら最も強く立ち止まるのが、この部分です。

参加者が先生の話として経済指標取引の利益は取引資金の35%だと投稿した後、INVDOM PTY LTD取引所のカスタマーマネージャーを名乗る人物が取引体験金キャンペーンを紹介しているLINE
「利益35%」という投稿のあと、取引所担当者を名乗る人物からキャンペーンが紹介されました。

「利益は取引資金の35%です」

被害当時の私は、この35%という数字の異常さを十分に理解できていませんでした。

今は実際の投資について学ぶ中で、利益を積み重ねることが簡単ではないと知りました。

だから今の私なら、

「35%も儲かるの?」ではなく、「なぜ取引する前から35%と分かるの?」

と考えます。

経済指標発表時は相場が大きく動く可能性があります。
しかし、大きく動くということは、大きな利益だけではなく大きな損失になる可能性もあるということです。

未来の価格が確定していないのに、利益率だけが具体的に強調されている。

今なら、ここで止まります。

投資で10%の利益を得ることさえ簡単ではないと知った女性が、事前に利益35%と言われる異常さに気付き、高すぎる利益率を疑う大切さを伝える注意喚起漫画
「35%も儲かる」ではなく、「なぜ事前に35%と分かるのか」。視点を変えるだけでも立ち止まるきっかけになります。

9つをつなげると、初めて見えたもの

ここまでのLINEを、時系列で一本につなげます。

1.昨夜は高い利益が出た。

2.初心者でも簡単だった。

3.日本株は大きく下落している。

4.ビットコインにはチャンスがある。

5.今夜は重要な経済指標がある。

6.前回なら1478ドル取れた。

7.今夜も大きく動く。

8.利益は35%。

9.そして最後に、取引所のキャンペーンが紹介される。

一つだけを見ると、どれも普通の投資勉強会の会話に見えるものがあります。

しかし私は、この9つをつなげたことで、「投資したくなるまでの流れ」があったことに気付きました。

高利益の成功報告から初心者の成功体験、日本株下落、ビットコインへの期待、ADP雇用統計、1478ドルの成功例、今夜の機会、利益35%、取引所キャンペーンまでを9段階で示したSNS投資詐欺注意喚起漫画
一つひとつではなく「順番」で見ることで、当時の私が暗号資産取引へ近づいていった過程が見えてきました。

ここからは公的機関の注意喚起と照らし合わせます

ここまでは、私自身が保管していたLINE記録と、被害後に感じたことを中心に紹介しました。

ここからは、現在公表されている警視庁・金融庁などの注意喚起と照らし合わせます。

これは、「私のLINEがこうだったから、すべて同じケースが詐欺だ」と断定するためではありません。

似た状況にいる人が、公的な情報を使って立ち止まるための答え合わせです。

警視庁|グループチャットで信用させるSNS型投資詐欺

警視庁はSNS型投資詐欺について、SNS広告で投資を勧誘し、グループチャットなどで信用させて金銭をだまし取る手口として注意を呼びかけています。

対処法として、取引業者が金融商品取引業者等として登録されているか確認すること、DMやグループチャットでの儲け話に注意すること、個人名義の口座へ振り込まないことを挙げています。

金融庁|「先生」「講師」「アシスタント」とサクラ

金融庁が公表しているSNS上の投資詐欺の事例には、今回の記事と照らして特に注目したい内容があります。

クローズドチャットへ誘導された後、「講師」「先生」「アシスタント」が投資を指南し、グループ内のサクラが「指南に従えば利益が上がる」ようなメッセージを投稿するケースです。

さらに、情報交換や勉強会から始まり、その後、成功談をもとに投資話を持ち掛ける事例も注意点として掲載されています。

私のLINEにも「先生」と呼ばれる人物、利益を報告する参加者、初心者の成功体験、暗号資産への誘導がありました。

被害当時には気付けなかった組み合わせです。

金融庁|LINE内で複数アカウントが成功しているように見せるケース

金融庁の相談事例では、LINEグループ内で複数のアカウントを使い、投資が成功しているように装って、参加者が投資したくなるよう仕向けるケースも紹介されています。

また、利益が出ているように見せた後、高額な出金をしようとすると、手数料、保証金、税金などの名目でさらに入金を要求されるケースも報告されています。

画面上に利益が表示されていることと、実際に自由に出金できることは別です。

消費者庁|個人名義口座を指定されたら振り込まない

消費者庁も、SNSをきっかけとした投資や副業の「もうけ話」に注意を呼びかけています。

特に、投資資金の振込先として個人名義の銀行口座を指定された場合は振り込まないよう強く注意しています。

少しでも不安を感じた場合は、消費者ホットライン「188」から最寄りの消費生活センター等へ相談できます。

FBI|「短期間だけの機会」と高い利益で追加投資を促す手口

暗号資産投資詐欺については、米国FBIも注意喚起を行っています。

FBIは、非常に魅力的な利益を画面上で見せて追加投資を促すことや、「この機会は短期間だけ」と希少性を強調して投資を急がせる手口を紹介しています。

また、すでに投資して出金できなくなっている場合に、資金を引き出すための「税金」や「手数料」を追加で支払わないよう注意しています。

「本物の情報」が混ざっているからこそ、私は信じた

私がこのLINE記録から伝えたいのは、詐欺の話が最初から最後まですべて嘘とは限らないということです。

日経平均は本当に存在します。

ADP雇用統計も本当にあります。

ビットコインも実在します。

経済ニュースや専門用語の説明にも、本当の情報を混ぜることができます。

でも、

経済指標が本物だから、紹介された取引所も本物。

チャートが本物だから、画面の利益も本物。

参加者が利益を報告しているから、自分も出金できる。

とは限りません。

本来確認すべきだったのは、その人たちが投資に詳しいかどうかだけではありませんでした。

☑ 送金前に確認すること

当てはまる項目をタップして確認してください。

今まさに似たLINEの中にいる人へ

もしこの記事を読んで、

「自分のLINEと似ている」

と思ったなら、その違和感を無視しないでください。

🔴 これ以上送金する前にチェックしてください

ここは「安全確認」ではありません。
当てはまるものがあれば、追加送金をいったん止めてください。

⚠️ ひとつでも気になる項目があれば、追加送金をいったん止めてください。
LINEグループの中だけで判断せず、金融機関・警察「#9110」・消費者ホットライン「188」など、利害関係のない第三者に確認してください。

まだ振り込んでいないなら、送金を止める。

すでに振り込んでいるなら、できるだけ早く金融機関へ相談する。

警察相談専用電話「#9110」や、消費者ホットライン「188」など、LINEグループと利害関係のない場所へ相談する。

相手に「これは詐欺ですか?」と聞く必要はありません。

グループの外へ出て確認してください。

私は今なら「35%も儲かる?」ではなく「なぜ35%と分かる?」と考える

被害当時の私は、高い利益の数字を見て期待しました。

今は違います。

投資について学ぶほど、利益を積み重ねることが簡単ではないと知ったからです。

だから「利益35%」と言われたら、

「すごい」より先に「なぜ?」

と考えます。

その小さな「なぜ?」が、誰かの送金を止めるきっかけになればと思っています。

私は自分が経験したLINEを、できるだけ当時の流れのまま残します。

同じ場所にいる人が、

「これ、私が今いるグループと似ている」

と気付くために。

私は止まれませんでした。だから、あなたには止まってほしい

少しでも違和感を感じたら

まだ振り込んでいないなら、振り込まないでください。

すでに振り込んでしまった場合は、できるだけ早く銀行、警察、消費生活センターなどに相談してください。

恥ずかしいと思う必要はありません。

悪いのは、あなたを信じさせ、お金を奪おうとした相手です。

あなたの大切なお金と未来を守れるのは、最後はあなた自身です。


📚 関連記事


この発信を応援していただける方へ

詐欺被害を減らすための発信を続けています。 応援していただける方は、OFUSEから支援を送っていただけると励みになります。


English Summary

This article presents the full sequence of a real LINE investment-group conversation, from profit testimonials and fear about falling stocks to cryptocurrency opportunities, a claimed 35% return and an exchange promotion. Seeing the entire sequence may help someone recognize an investment scam before sending more money.

💡 当ブログの運営方針とご注意

この記事は、私自身の実際の詐欺被害体験に基づく記録です。これ以上被害者を増やしたくないという思いから、個人で発信しています。

当ブログは、返金業者、調査会社、司法書士事務所、弁護士事務所などとは一切提携していません。特定の窓口への誘導、勧誘、紹介も行っていません。

⚠️ 「二次被害」にご注意ください

詐欺被害者を狙い、「返金できます」「弁護士を紹介します」などとLINEや問い合わせ窓口へ誘導し、相談料や着手金などを請求する悪質なサイトがあります。

ネット上の広告や、運営者の分からない窓口だけで契約を決めないでください。

法的な解決や返金相談を希望する場合は、警察相談専用電話「#9110」消費者ホットライン「188」、お住まいの地域の弁護士会など、公的・公正な窓口へ直接ご相談ください。

この記事を最後まで読んでくださったあなたへ。

今、言葉にできないほど苦しい気持ちを抱えているかもしれません。

張り詰めた心を少しだけ緩めるために、

「心を整える場所」

を作りました。

誰にも言えない胸の内を抱えたままでも大丈夫です。

ここで、ほんの少しだけ心を休めていってください。

「心を整える場所」

「暗号資産の税金詐欺|『納税しないと出金できない』『3,000万円で免税』を国税庁情報で検証」前のページ

ピックアップ記事

  1. 任意整理中に大阪万博へ行ってみた:クレカ停止でも楽しめた体験談

  2. 【実録】LINE投資詐欺で案内された取引所「INVDOM PYT LTD」を公開…

  3. SNS投資詐欺の深刻な影響と返金手続きの現状:借金返済が収入を超える絶望的な状況…

  4. 詐欺集団を信じた理由: 被災地支援の名目で騙された私の体験

  5. 取引の聖杯は本当に存在するのか?SNS投資詐欺で私が信じた言葉

関連記事

  1. 詐欺の手口・見抜き方

    詐欺師は本物の経済知識を使う|違和感の正体と見抜き方【実体験】

    【実体験】詐欺師は“正しい経済知識”で信用させてくる|違和感の正体を解…

  2. 詐欺の構造と被害者支援【第2期】

    投資詐欺のLINEを公開|本物のIFAとの決定的な違いと見抜くポイント

    株の取引を勉強するにあたって先生(詐欺師)からの文章は自分…

  3. 詐欺の手口

    投資詐欺の危険な口座開設手口|私は“銀行口座”を作っているつもりでした

    その口座開設、待ってください私はLINEで、犯罪グループに個人…

  4. ニュース・注意喚起

    SNS型投資詐欺で8億7000万円被害|同じ被害者だから分かる心理と恐怖

    愛知県で、80代男性が約8億7000万円を騙し取られたというニュー…

  5. 被害体験記

    SNS投資詐欺の始まり|私はウォール街の牛に夢を見ていました

    第一章|私は、この牛に夢を見ていましたSNS投資詐欺で1,…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事
過去の記事
OFUSEで応援を送る

この記事が少しでも役に立ったら
応援していただけると励みになります

無言でも大丈夫です

カレンダー
2026年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
  1. 被害体験アーカイブ【第1期】

    詐欺被害で全財産を失った苦闘:日常の再構築と未来への希望
  2. 被害体験アーカイブ【第1期】

    詐欺被害から約1年:全口座残高公表で浮かび上がる1,663万円の実態と心の苦悩
  3. 被害体験アーカイブ【第1期】

    任意整理中に大阪万博へ行ってみた:クレカ停止でも楽しめた体験談
  4. 被害体験アーカイブ【第1期】

    【実録】振り込め詐欺被害から見える借金救済と返金交渉の現実 ~任意整理と生活苦悩…
  5. 基礎知識

    詐欺だと気付いたのは休日でした|相談窓口に繋がらず絶望した私が伝えたいこと
PAGE TOP