詐欺の手口

投資サイトに会社番号があれば安全?海外金融業者を見分ける4つの確認方法

海外の投資サイトを見ていると、会社名や会社番号、金融ライセンス番号などが表示されていることがあります。

「会社番号まで書いてあるなら、本物の会社なのでは?」

「金融規制当局に登録されているなら、大丈夫なのでは?」

私も、以前はそうした情報を「信用できる材料」として見ていました。

しかし、SNS投資詐欺の被害に遭ったあと、公的資料や金融規制当局のデータベースを調べるようになって分かったことがあります。

会社が実在することと、いま見ている投資サイトが安全であることは、同じ確認ではありません。

実在する会社名や会社番号、金融ライセンスの情報が、別のサイトで無断利用される「なりすまし」もあります。

では、海外の投資サイトを見つけたとき、何を、どの順番で確認すればいいのでしょうか。

この記事では、難しい専門用語をできるだけ分解して、「会社」「金融ライセンス」「ウェブサイト」「規制当局の警告」の4段階で確認する方法を整理します。

⚠️ 最初に大切なこと

この記事のチェック項目をすべて確認できても、その投資が安全であることを保証するものではありません。

反対に、重要な項目を確認できない場合は、相手の説明だけを信じて送金を急がず、いったん止まって独立した情報源から確認してください。

最初に覚えてほしい|「会社がある」と「投資してよい」は別

最初に、この記事で一番大切なことを整理します。

たとえば、ある投資サイトに次のように書かれていたとします。

ABC INVESTMENT PTY LTD

ACN:123 456 789

ASIC Registered

AFS Licence:XXXXXX

数字が並び、ASICという名前まで書いてあると、とても正式な会社に見えるかもしれません。

でも、ここでは少なくとも別々の確認が必要です。

① その会社は本当に存在するのか

② その会社は、その金融サービスを提供できる立場なのか

③ いま見ているウェブサイトは、本当にその会社が運営しているのか

④ 規制当局から警告されていないか

この4つを混ぜないことが、最初のポイントです。

LEVEL 1|まず「会社そのもの」が本当に存在するか確認する

最初に確認するのは金融ライセンスではありません。

そもそも、その会社が本当に存在するのか。

オーストラリアの会社を名乗っている場合なら、ASICの会社登録情報など、公的な登録情報から確認します。

ここで大切なのは、相手から送られてきた「会社登録証明書」の画像だけを確認材料にしないことです。

自分で公式サイトを開き、自分で会社名や会社番号を入力します。

⚠️ ここで「会社が見つかった=安全」と判断しないでください。

公的な登録簿に会社が存在していても、それだけで、その会社が信頼できることや、目の前の投資サイトが正当であることを保証するものではありません。

LEVEL 2|会社登録と「金融ライセンス」を分けて確認する

ここは、とても間違えやすいところです。

会社として登録されていることと、金融サービスを提供するための許認可・登録が確認できることは別です。

オーストラリアの場合、金融サービスではAFS Licence(Australian Financial Services Licence)や、AFS licenseeのAuthorised Representativeとして登録されているケースなどがあります。

ASICのProfessional Registers Searchでは、AFS licenseeやAFS authorised representativeなどを検索できます。

ここで見るのは「番号が存在するか」だけではありません。

誰の番号なのか。現在のStatusはどうなっているのか。どのサービスを提供できるのか。

そこまで確認します。

💡 「ASIC登録」という言葉だけでは判断しない

会社登録なのか、AFS licenseeなのか、Authorised Representativeなのか。

同じ「ASICに載っている」ように見えても、意味は異なります。

LEVEL 3|最重要|その会社と「今見ているサイト」は本当につながっている?

ここから一段難しくなります。

そして、私はここが非常に重要だと思っています。

本物の会社情報を見つけても、そこで確認を終わらせないでください。

詐欺では、実在する会社名や金融ライセンス番号などを使って、本物の金融会社になりすましたウェブサイトが作られることがあります。

つまり、こういうことです。

会社:本物

↓

ライセンス番号:本物

↓

でも、あなたが見ているサイトは偽物かもしれない

そこで確認するのが、会社とウェブサイトのつながりです。

2026年から、ここはさらに確認しやすくなった

ASICは2026年、AFS licenseeのウェブサイトアドレスをProfessional Registers Searchに掲載する取り組みを始めました。

Professional Registers Searchにウェブサイト情報が提供されているAFS licenseeなら、会社名やライセンス番号だけではなく、公式サイトのURLまで比較できる場合があります。

ただし、すべての情報が完全に揃っているとは限りません。また、このウェブサイト掲載の仕組みはAFS licenseeを中心としたもので、Authorised Representativeのサイトが同じ形で掲載されるとは限りません。

だからこそ、URLが確認できない場合に「偽物」と即断するのではなく、確認できない理由をさらに調べることが大切です。

LEVEL 4|相手側ではなく「警告する側」から検索する

ここまでのLEVEL 1〜3では、主に相手が名乗っている会社や登録情報を確認してきました。

LEVEL 4では逆方向から調べます。

規制当局が、その会社・サイト・ドメインについて何か警告していないか。

ASICにはInvestor Alert Listなどの投資詐欺警告情報があります。

⚠️ 警告リストにない=安全、ではありません

Investor Alert Listは非常に重要な確認材料ですが、すべての不審なサイトや事業者が掲載されているわけではありません。

「検索しても出なかったから安全」ではなく、「警告が見つからなかった」という一つの確認結果として扱います。

5分で確認するなら、この5つ

LEVEL 1〜4を読んで「難しい」と感じた人もいると思います。

今まさに送金を求められていて時間がないなら、最低限、次の5つだけでも確認してください。

1つでも「分からない」が残るなら、その場で追加送金する必要はありません。

確認できてから判断しても遅くありません。

実在する会社の情報まで、詐欺に使われることがある

この確認方法が必要なのは、投資詐欺サイトのすべてが最初から分かりやすい偽物とは限らないからです。

ASICも、詐欺師が実在するAFS licenseeの会社名、ライセンス番号、ウェブサイトなどを模倣する問題について注意を呼びかけています。

つまり、

会社番号が本物

↓

ライセンス番号も本物

↓

それでも、目の前のサイトや連絡相手が本物とは限らない。

ここまで考えて初めて、なりすましへの確認になります。

前編のINVDOMを調べて、私が一番考えさせられたこと

前編では、私が2024年に利用していたINVDOMについて、当時の口座開設メールや本人確認メールと、後に公開されたASIC・オーストラリア連邦裁判所の資料を照合しました。

当時の私は、会社名があること、口座が作られたこと、本人確認が行われたことなどを、一つずつ「本物らしさ」として受け止めていました。

でも、今回この記事を作るために改めて調べて分かったのは、確認はそこで終わりではないということでした。

会社は存在する?

金融サービスを提供できる立場?

その会社と、このウェブサイトは本当につながっている?

規制当局は警告していない?

一つの「○」で安心するのではなく、別々に確認する必要があります。

今まさに送金しようとしている人へ

もしこの記事を、誰かから投資を勧められている最中に読んでいるなら、相手に急かされても、まず自分で確認してください。

相手から送られてきた会社登録証。

ライセンスのスクリーンショット。

「ASIC認可」と書かれたサイト。

検索で見つかった会社名。

それらをそのまま信用するのではなく、自分で公式サイトを開き、自分で検索することが大切です。

確認できないなら、送金を急がない。

分からないことがあるなら、それが止まる理由になります。

確認に使える公式サイト

ASIC Professional Registers Search
AFS licenseeやAFS authorised representativeなどの登録・ライセンス情報を確認できます。


ASIC Professional Registers Search

ASIC Investment scam alerts
ASICが公開している投資詐欺警告やInvestor Alert Listを確認できます。


ASIC Investment scam alerts

Moneysmart|Check before you invest
投資前に会社・ライセンスなどを確認する方法が整理されています。


Moneysmart「Check before you invest」

前編|私が利用したINVDOMを公的資料から追跡

この記事は、INVDOM追跡記事の後編です。

前編では、私が2024年に実際に受け取った口座開設・本人確認メールと、ASICの95社清算事件、オーストラリア連邦裁判所判決を照合しています。

▶ 前編:

INVDOM Pty Ltdはその後どうなった?ASICの95社清算事件と連邦裁判所判決を追跡

最後に

投資詐欺を経験する前の私は、「会社番号まであるなら」「本人確認までされたなら」と、一つ一つの情報を信用材料として見ていました。

でも今は、少し違います。

その情報は本物か。

その情報は、いま見ているサイトと本当につながっているのか。

そこまで確認する必要があると思っています。

この記事が、送金ボタンを押す前にもう一度検索するきっかけになればと思います。

私は止まれませんでした。だから、あなたには止まってほしい。

📚 あわせて読んでほしい記事

▶ まず前編から読む

INVDOM Pty Ltdはその後どうなった?ASICの95社清算事件と連邦裁判所判決を追跡

私が実際に利用したINVDOMについて、2024年当時のメールとASIC・連邦裁判所の公的資料を照合しました。

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English Summary

A real company number or financial licence number alone does not prove that an investment website is legitimate.

Verify the company, financial authorisation, website connection and regulator warnings independently before sending money.

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